去った3月は確定申告の時期でした。
僕は税理士事務所で働いているので、
その時期はとても充実した毎日を送っていたのですが、
毎年対応している住宅ローン控除の申告で、
今年はいくつか変わった点がありましたので、
自分自身の頭の整理も兼ねてこの記事を書こうと思います。
ただ、全ての変更点ではなく今回は大きく2つに絞るつもりです。
これから住宅ローン控除の検討をする方の参考になれば幸いです。
本記事を一言で表すと、住宅ローン控除改正点の紹介です。
2つの変更点
今回取り上げる変更点は下記の2つです。
- 適用を受けられる方の所得金額の制限が3,000万円以下から2,000万円以下に改正
- 控除額が借入残高の1%から0.7%に改正
以下で詳しく説明します。
適用を受けられる方の所得金額の制限が3,000万円以下から2,000万円以下に改正
令和3年までは、住宅ローン控除の適用を受けられるのは
所得金額が3,000万円以下の方でした。
これが令和4年分の確定申告からは2,000万円以下に引き下げられました。
これは完全に納税者に不利な改正です。
ここで出てくる所得金額について、完璧に説明できる自信がないので、
一番シンプルな収入の形態であろう、
副業をしていないサラリーマンを例に説明します。
1 | 給与額面 | 5,000,000 |
2 | 社会保険料 | 750,000 |
3 | 所得税 | 425,000 |
4 | 住民税 | 356,000 |
上記が、普段見ている給与明細や源泉徴収票に出てくる項目かと思います。
サラリーマンの場合、住宅ローン控除の判定に使う所得金額は
1‐「給与所得控除」
上記の計算式で求められます。
給与所得控除の求め方については国税庁のHPで
簡単に調べられますので安心してください。
給与所得控除↓
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm
上記の計算式で所得金額を計算した結果、2,000万円を超えるようであれば、
ふるさと納税、医療費控除等を活用して2,000万円以下に収められれば
住宅ローン控除を適用することができます。
控除額が借入残高の1%から0.7%に改正
先程説明した所得金額の制限に関しては、
2,000万円を超えるかどうかでしたので、
多くの方は気にしなくてもいいポイントだったかと思います。
ただ、ここで説明するポイントは所得金額に関係なく誰にでも関係する話です。
簡単に言うと、年末時点の住宅ローン残高の0.7%分の所得税が下げられる
というものです。
年末の住宅ローンの残高が3,000万円だった場合、
令和3年までは30万円の税金を下げられましたが、
令和4年からは21万円しか下げられません。
背景
この改正には理由があります。
それは、近年の住宅ローンの金利が低くなっているからです。
通常、住宅ローンの金利は1%未満になることがほとんどです。
なので、住宅ローン控除で受けられる控除額の方が
住宅ローンを組んで払う金利よりも大きいという状況が起きていました。
そのゆがみに今回メスが入った形です。
まとめ
今回は住宅ローン控除の改正点を2つ取り上げました。
これからマイホームの購入を検討する方の参考になれば幸いです。
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